「わたしはなんでも知っている」(令丈ヒロ子)

わたしはなんでも知っている (新・童話の海)

わたしはなんでも知っている (新・童話の海)

主人公は自分はなんでも知っていると思い込んでいる小学4年生の少女クス子。彼女の家は病院で、待合室で会話を盗み聞きしているから大人の事情にも詳しくなっています。たとえば、……をズボンのチャックにはさんだ事故なんかを知っておもしろがっています。そんな彼女が、公園で知り合った怪しいおじいさんに「今まで知らんかったことが、どんどんわかる薬」をもらい、さらに物知りになってしまったことから騒動が巻き起こります。
かなりお下品路線でとばしている作品なのですが、知ってしまうことによって生まれる苦みにも踏み込んでいる良作でした。