その他今月読んだ児童書

しかし年末にも大きな事件は起きるものですね。まさか福音館書店株が大暴落してしまうとは。来年は信用回復のために頑張ってもらいたいです。

帰ってきた半ズボン隊 上 事件編

帰ってきた半ズボン隊 上 事件編

帰ってきた半ズボン隊 下 解決編

帰ってきた半ズボン隊 下 解決編

「半ズボン隊」の第二弾。セメントの失踪事件と不良グループのパウリギャングとの抗争を軸に、またも半ズボン隊が大活躍します。
ササフラス・スプリングスの七不思議 (児童図書館・文学の部屋)

ササフラス・スプリングスの七不思議 (児童図書館・文学の部屋)

自分が住む田舎町ササフラス・スプリングスを嫌って世界七不思議に憧れる少年が、父親にそそのかされてご町内七不思議を探す話です。
お皿監視人 あるいはお天気を本当にきめているのはだれか

お皿監視人 あるいはお天気を本当にきめているのはだれか

ミヒャエル・ゾーヴァの表紙がいい味を出していますね。ごめんこれあんまりおもしろくなかった。でも広井王子の説教くささが懐かしくて、別の意味で楽しんでしまいました。
建具職人の千太郎 (くもんの児童文学)

建具職人の千太郎 (くもんの児童文学)

建具屋に奉公に出された少年の話です。地味ながらユーモアのあるいい読み物でした。子供たちがやくざに目をつけられた若棟梁を守ろうとする場面がよかったです。
ズッコケ中年三人組age44

ズッコケ中年三人組age44

「ズッコケ中年三人組」が出ると今年ももう終わりだって気分になりますね。ハチベエが釣り、ハカセがカメラ、モーちゃんが自由律俳句と、三人組がそれぞれ趣味を持つ話です。そして、なんだかんだあって三人組はツチノコ探しを始めることになります。なにげない日常の出来事から大事件に転がっていく展開で、中年シリーズの中では一番「ズッコケ」らしい作品になっていました。
越境する児童文学―世紀末からゼロ年代へ

越境する児童文学―世紀末からゼロ年代へ

これは必読です。90年代からゼロ年代にかけての児童文学の流れが一望できる本です。タイトルに「越境」とあるように、従来の児童文学概念が揺らいでいる状況が指摘されています。が、野上暁はそのゆらぎにこそ希望を見出しています。

児童文学は子どもと大人の境界を越え、子ども文化として成熟し大人にまで読者を拡張したマンガやアニメと同様に、海外に広がっていく可能性を確実に内包している。それは、子ども文化の持つエネルギーであり、底力だともいえるのだ。(p197)

では、来年もよろしくお願いします。よいお年を。