「増補改訂版 子どもの本のカレンダー」（鳥越信・生駒幸子/編）

子どもの本のカレンダー―Children’s Books with 366 days

子どもの本のカレンダー 増補改訂版

一年３６６日のそれぞれの日に事件が起こる児童書を集めたブックガイドです。たとえば５月１５日であれば、カニグズバーグ「８００番の旅」の主人公マックスが生まれた日といった具合。中にはそれは物語の中でそれほど重要な日ではないだろうと思えるような苦しいのもあるのですが、これだけ大変な企画なのだから無理もないでしょう。「はれぶた」なんかは、日記の日付がみんな使えるので、この作品に気づいたときは助かったと思っただろうなどと、苦労が忍ばれます。
もともとは九州の公共図書館に「ぼくの誕生日に事件が起こるお話が読みたい」というリクエストが寄せられ、困り果てて鳥越信に助けを求めたところからこの取り組みが始まったそうです。そして、大阪府立国際児童文学館がスタートしたときに、鳥越信がスタッフに読んだ本に出てくる日付をメモしておくように指示を出したのだそうです。
大阪府立国際児童文学館は、子供の素直な要望に対して労力を惜しまずに地道に応えてきた機関だったのです。それを研究機関だということを理解せずに来館者が少ないなんて言いがかりを付けて……あ、この話は長くなるので止めておきます。