「怪盗レッド2 中学生探偵、あらわる☆の巻」(秋木真)

運動神経抜群のアスカと頭脳派のケイ、二人組の中学生怪盗「怪盗レッド」が活躍するシリーズの第2弾です。今回はライバル役として少年探偵の白里響が登場。「紅い星」という宝石の警備を依頼された響は、テレビでレッドを挑発するような発言をします。ケイの調査で「紅い星」は義賊のレッドが狙わなければならない曰く付きの代物であることがわかり、アスカは美術館への侵入を試みるのですが、響の罠にはまってしまい……というお話。
今回初登場の白里響も頭脳派なので、ケイとキャラがかぶることが懸念されます。しかしそれも作者の計算のうちでした。終盤の展開のネタばらしになるので詳しくは書きませんが、両者の似ている部分を先に出しわざと混同させることで後に出される差違を明確にし、結果的にやっぱり相棒が最高だという結論に導く構成があざやかです。
怪盗レッドは響によって敗北を経験させられます。その敗北を燃料として物語は燃え上がります。敗北から立ち直ることで怪盗レッドの存在意義の再確認とコンビの絆の強化に成功したので、3巻以降はさらに盛り上がりを見せそうです。