「13歳からの反社会学」(パオロ・マッツァリーノ)

反社会学講座」でおなじみのイタリア人戯作者(?)の新刊です。語り口やギャグは平常運転ですが、「13歳から」と冠しているだけあってなかなか教育的な内容になっていました。
最初の章では進路学習を意識したのか、職業紹介を行っています。職業といっても地見屋なんですけど。道に落ちているお金を拾う地見屋という職業で食っていけるのか否かが、データを駆使して検証されています。
第2章の調べ物の仕方に関する章は実用的でした。図書館とネットそれぞれの利点、欠点がわかりやすくまとめられていて、「13歳から」世代にはすごくいい参考になると思います。おまけの国会図書館レポートも面白かったです。「砂が入ったポイントカードみたいな入館証」ってもうないんですか。そりゃ国会図書館も少しは使いやすくなってくれてないと困りますよね。
情報に対してどういう態度を取ればいいのかという課題から生き方の問題までを真摯に語っている良書です。中高の学校図書館は備えておくべきです。