その他今月読んだ児童書

ウルは空色魔女』第三巻。くしゃみをすると魔法が暴走してしまう魔女カゼにかかってしまったウル。本人は魔女カゼにかかったことに気づいておらず、それを知ったちさとがくしゃみを阻止しようとして騒動が起こります。
といったドタバタから始まり、今回も魔女として成長するためにひたむきに頑張るウルの姿が感動的に描かれています。どうにもならない現実の壁の厳しさにはきちんと向き合いながら、それでも向日的な理想主義を貫いている良作です。
それにしても、「へーっくぴょっ」っていうくしゃみはかわいすぎてずるい。

「わたしを食べてもいいけどね、そのまえに猛毒を飲んでやるから。ものすごい毒なんだよ。苦しくて苦しくてたまらないんだよー。そんな毒を飲んだわたしを食べたとたん、あんたたちもおなじ目にあうんだから、口とか鼻の穴とか耳の穴からいっぱい血が出てくるんだよー。わたしだけじゃないよ。この太ったこを食べるとね、食べても食べても満足しない体になっちゃうよ。一生、飢えに苦しむことになるの。胃拡張になっても、胃が破裂しても、ずっと飢餓感に苦しむよー」

「ネコ・ムスビ」第七巻。玉ちゃん不在の間に莉々株がどんどん上がっていく。肝の据わった嘘つきっぷりがかっこいい。

鉄のしぶきがはねる

鉄のしぶきがはねる

工業高校に通う女子高生が旋盤の技術を磨いていく話です。珍しい題材を扱っていますが、物語はスポ根の文法で手堅く組み立てられています。
翼のある猫 上

翼のある猫 上

翼のある猫 下

翼のある猫 下

オランダで2002年に発表されたYAファンタジーで、翌年の金のキス賞を受賞しています。