その他今月読んだ児童書

アーデン城の宝物

アーデン城の宝物

ネズビットのタイムスリップファンタジー。いかにも名作児童文学然とした装丁がいいです。訳者の解説によると、ネズビットはウェルズの『タイムマシン』(1895)のわずか10年後に『魔よけ物語』(1906)で児童文学にタイムトラベルを取り入れ、この『アーデン城の宝物』では衣服を着替えることでタイムスリップするという斬新なアイディアを考案したとのこと。いかにネズビットが革新的な作家であったかということが、よくわかります。
ゴールデンドリーム―果てしなき砂漠を越えて

ゴールデンドリーム―果てしなき砂漠を越えて

ロイド・アリグザンダーの遺作。「本の怪談」シリーズ番外編第2弾。呪いの本が4人の主人公の手にリレーされる話。呪いがテーマになっているので、ストレートに怖い話が多かったです。焼きそばが……、焼きそばが……。「怪談えほん」第7弾。怖いものなどなにもないと豪語する少年が肝試しで入った倉庫で、「おんなのしろいあし」に魅入られてしまう話です。タイトルの時点で生理的な気持ち悪さといやらしさを出してくるのところが、岩井志麻子らしいです。なんともいえずぞわぞわする本でした。
(098-1)あたしたちのサバイバル教室 (ポプラポケット文庫)

(098-1)あたしたちのサバイバル教室 (ポプラポケット文庫)

いじめで不登校になった小学5年生の未来が、「小学生夏期アシストクラス」というフリースクールに通い、あやしげな青年から「いじめをかわす」技術を教わる話。
いじめはなくならないことを前提とした現実的、実践的な内容でした。必要なところに届くように媒介者の努力と工夫が求められます。