その他今月読んだ児童書

ぼくらはその日まで

ぼくらはその日まで

『ぼくのとなりにきみ』の続編。現代版ズッコケ三人組の夏休みの物語。サクが無意味にモテたり、ハセと新キャラのお姉さんの関係ができすぎだったり、あれこれうまくいきすぎな感はありますが、そこはご愛敬。死別などのどうしようもないことも織り込みながらも、日常の強度をいいあんばいの温度で描いています。
空で出会ったふしぎな人たち

空で出会ったふしぎな人たち

『ギュレギュレ!』の続編であるだけでなく、「西遊記」シリーズの番外編ともなっているので、斉藤作品を読みこんでいる人ほど楽しめそうです。
少年Nの長い長い旅 03 (YA! ENTERTAINMENT)

少年Nの長い長い旅 03 (YA! ENTERTAINMENT)

コアラいいよね。
ラブリィ!

ラブリィ!

容姿による差別が起こる原因をメディアの洗脳のみとしている浅い分析、ハンディキャップを持った人ががんばる様子を消費することを是とする姿勢、男は女を守るべきというジェンダー観。差別問題をテーマとした作品にしては隙が多すぎます。ルッキズムを扱った児童文学としては、藤野恵美「走れ、脂身」河合二湖『向かい風に髪なびかせて』がすでに大きな成果をあげています。先行作と比べるとあまりに物足りないです。
ボトルクリーク絶体絶命

ボトルクリーク絶体絶命

アラバマ州が巨大ハリケーンに襲われるパニック小説。人間だけでなく、さまざまなけだものたちやワニや毒蛇が入り乱れて大混乱するのが、この作品の特徴です。動物がたくさん出てくる話が好きな人におすすめ。野生化したブタが人間にとってかなりの脅威になるとか、無駄な雑学も身につきます。
狼森ののろい (世界のよみもの)

狼森ののろい (世界のよみもの)

森・狼男・呪い・古城・妖術と、ゴシック趣味怪奇趣味満載のファンタジー。訳文も格調高く、よい雰囲気に浸れます。