「消える総生島」(はやみねかおる)

消える総生島 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)
消える総生島 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)」(はやみねかおる
 今回の舞台は孤島です。孤島といえば密室と並んでミステリの華。映画のロケに参加するため総生島へやってきた一行は、またも事件に遭遇します。人が消える、館が消える、島が消える。突拍子もない謎には突拍子もない解答。これで怒り出すか怒り出さないかでミステリファンになれるかなれないかが決定されるでしょう。
 三つ子の一人の真衣は映画オタクだったということが判明します。後書きによるとはやみねかおる自身も大学時代映画を撮っていたそうです。虹北商店街の若旦那たちがおもしろいわけです。あの暴走っぷりは本当に映画に情熱を持っている人間だから描けたのですね。
 それにしても小学生向けだというのに容赦ない小ネタのオンパレードをかましています。ラヴクラフトなんて知ってる小学生はいるのか?