「やかまし村の子どもたち」(リンドグレーン)

やかまし村の子どもたち (岩波少年文庫(128))

やかまし村の子どもたち (岩波少年文庫(128))

 「やかまし村」が岩波少年文庫に収録されました。村にたった三軒しかない家のたった6人の子供が遊んでいるというだけの話です。それだけなのに大きな幸福感が感じられるのがこの作品のすごいところです。わらの中で寝てみたり、ちょっとした秘密基地を作ってみたり、ささやかな事件しか起きません。なのに何でこんなにおもしろいのか。リンドグレーンの幸福な子供時代をお裾分けしてもらっているような感じです。
 この作品は舞城王太郎の「阿修羅ガール」というすばらしいオマージュも生み出しています。ただしこっちを読むのは、少なくとも小学校は卒業してからにしましょう。
阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)