「怪傑黒うさぎ 闇にひそむ鬼」(杉山亮)

快傑黒うさぎ闇にひそむ鬼 (講談社青い鳥文庫 (209-1))

快傑黒うさぎ闇にひそむ鬼 (講談社青い鳥文庫 (209-1))

 大店茜屋の主人が殺され、手代の佐吉は幼い跡取り息子の大助とともに逃亡します。8年後、旅芸人に身をやつした二人は、悪者に乗っ取られた茜屋を救うために大活躍。大助は沖縄で武術を学び、怪傑黒うさぎに変身して大暴れします。
 たまにはお気楽な時代劇もいいものですね。講談調の荒唐無稽な世界で、あたまを空っぽにして楽しめる作品です。キャラクターの落語の世界を思わせる軽妙な掛け合いも愉快です。
 特筆すべきは、アクションシーンにイラストをふんだんに使い、文章とうまい具合にリンクさせていることです。まるで漫画を読んでいるようにスピーディーにアクションを楽しめる。いい工夫だと思います。