「キャプテンはつらいぜ」「キャプテン、らくにいこうぜ」(後藤竜二)

キャプテンはつらいぜ キャプテンシリーズ(1) (講談社青い鳥文庫)

キャプテンはつらいぜ キャプテンシリーズ(1) (講談社青い鳥文庫)

 主人公の勇は弱小野球チーム、ブラック・キャットに所属する5年生の男の子。やる意のない6年生が次々とチームを去り、勇はなし崩しにチームのキャプテンになります。その上エースの吉野くんも塾の合宿に参加するといって野球を止めてしまいます。このままでは試合に出ることもできません。勇は不良化してしまった同級生の秀治をピッチャーにスカウトしようとしますが……。
 このあらすじからわかるように、王道の野球ものです。弱小チームの立て直しが当面の目標です。塾の先生のゴロさんがコーチを引き受けてくれたり、秀治もめでたく更正したりで、とりあえずきれいにまとまります。 何とか人数もそろったブラック・キャットですが、新たな問題が持ち上がります。元エースの吉野くんが塾の合宿を終えもどってきたため、チームのピッチャーが二人になってしまいました。
 いや、こういう場合、戦力が増えたと手放しでは喜べないんですね。勇はキャプテンとして選手の起用にまで気を遣わなければなりません。ところが問題は吉野くんの件だけではありませんでした。チームに忘れられて非行に走った子が一名ででしまいました。
 野球は選手だけではなくて、コーチや応援してくれる人、いろいろな人に支えられてできるものなんだというお話。