「宇宙人のしゅくだい」(小松左京)

宇宙人のしゅくだい (講談社青い鳥文庫)

宇宙人のしゅくだい (講談社青い鳥文庫)

 宇宙人にさらわれたヨシコは、彼らが地球人を滅ぼそうとしているとを聞きます。地球人はお互いににくみあい、戦争したり殺しあったりしているので、宇宙に進出して宇宙に憎しみを持ち込まれては困るからだというのです。ヨシコは「わたしたちが、おとなになったら、きっと戦争のない星にして、地球をもっともっと、大切にするわ。だから、おねがい!ほろぼしたりしないで……。」と説得します。宇宙人は「きみがそういうなら、とにかく、きみがおとなになるまで、まってみよう。」といって帰っていきました。
この作品が書かれたのはいつなのでしょうか。青い鳥文庫は1981年に出ています。わたしは小学校の国語の時間に習った覚えがあります。この話を知っている日本人はかなりの数にのぼるはずです。それを考えると愕然としますね。全然人類は進歩してないんですから。もうヨシコも立派な大人になっているはず。人類はいつ宇宙人に滅ぼされてしまうのでしょうか。
 なんか話がシリアスになってしまったので、オチをつけることにします。
青い鳥文庫のサイトでこんな記事を発見しました。

 小松左京先生の名作『宇宙人のしゅくだい』は、お子さんがまだ小さい頃(ちなみに先生のお子さんは私より年上)、寝物語に話してあげたのが元なのだ、とうかがった。
 なんでも、最初は、『キャバレーしたきりスズメ』という話をふざけてしていたら、奥様の激怒をかい、あわててまじめに面白い話を作ったのだそうだ。
 あのじんとくる『宇宙人のしゅくだい』の裏にそんなおポンチな秘話があったとは……。
 でもそう言われると、なんだかその『キャバレーしたきりスズメ』という話の方がおもしろそうな気がしてしまう、わたし。
 この父にして、この子有り、か。

※キャバレーの意味を知らないあなたは、けっして親に聞いたり、調べたりせずに、そのまままっすぐ大きくなってね!

 小松左京先生、あなたはそんなしょーもない理由で、日本中の子供にトラウマを植え付ける作品を作ったんですか。そんな秘話なら知りたくなかったです。でも、「キャバレーしたきりスズメ」の内容はぜひ知りたい。