「おれとカノジョの微妙Days」(令丈ヒロ子)

 美少年の庄司なぎさは、母親が家を留守にしている間、親戚の三反崎家に預けられることになります。三反崎家は美人揃いの4人家族。彼女たちはなぎさを女の子だと勘違いしてしまいます。三反崎家の美女たちは全員男嫌い。男だということがばれるとまずいと思ったなぎさは、女のふりをして過ごすことにするが……。
 ようは男が女装して女の集団に紛れ込むお話。男の子が女物のパンツをはかされたり、痴漢からのぞかれる経験をしたり、シチュエーションコメディとして笑わせてくれます。この設定であまりエロ方面に関心がいかないのがいいですね。男性作家だったらこういう風にはかけないでしょう。
 そして一種の異文化体験をすることによって、何も出来なかった男の子が成長していくさまも楽しめます。
 でも、前提としてこの話に登場するのはみんな美男美女なんですよね。なぎさくんが美少年じゃなかったらきっとひどい目にあっていたでしょう。「オトコはかわいさがわかりやすいオンナの子が好きだ」というなぎさのアドバイスも多くの男に当てはまる真理ではあります。だからといって小学生のうちから外見ばっかにとらわれる考えになるのはいかがなものかと思います。