「ガイコツになりたかったぼく」(ウルフ・スタルク)

ガイコツになりたかったぼく (ショート・ストーリーズ)

ガイコツになりたかったぼく (ショート・ストーリーズ)

 著者自身の少年時代を描いた自伝的作品です。 

ガイコツになりたかったぼく

 兄たちに騙されてほら穴に入った僕は、復讐のためにほら穴の中でガイコツになることを決意する。そして、少年はほら穴の中でいろいろな幻想を見るというお話。
 少年がほら穴で体験したことを両親に話すと、彼らはトラウマがどうのと無粋なことをいいます。こういう連中には江戸川乱歩の至言「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」を懇々と言い聞かせてやりたいものです。真実の大切さを説く父親に対して少年が「真実ってなに?」と問いかけるところで幕。

スカートの短いおねえさん

 本屋のお姉さんを好きになって、少ないお小遣いをはたいて本屋に通いつめるお話。
 少年のお姉さんへの思いは淡い憧れのようなものではありません。おねえさんの香りや足にストレートに欲情しているのがおもしろいです。子供は性的な存在です。そうあることによってこんなにも人生を豊かにできるのです。