「ミステリークラブ殺人事件 写楽ホーム凸凹探偵団⑤」(那須正幹)

同人サークル、平島ミステリークラブの同人藤耕作がめでたく作家デビューを果たします。ところがその出版記念パーティーで、アクシデントが起きます。その後同人のメンバーが次々と変死を遂げていきます。一方写楽ホーム凸凹探偵団には、美少女沙織が接近してきて、勇と正太はだらしなくデレデレします。そんな二人に千佳は不満を募らせます。分裂状態になった探偵団に事件の謎は解けるのか……?
 ミステリオタクのサークルを舞台にすると、ミステリに対するある不毛なつっこみを無効化することができます。それは「なんでそんなまだるっこしい殺し方をするのか?」というつっこみです。これに対する答えは簡単。「なぜなら犯人がミステリオタクだから」このひとことですんでしまいます。
 一見穏やかそうに見えながら、嫉妬が渦巻き、水面下で政治工作も行われている。趣味のサークルとはいえ闇の部分をほじくると色々出てきます。ただしこれはあくまでフィクション。現実のミステリオタクの大部分は常識人です。念のため。