「コルドバをあとにして」(ドリット・オルガット)

コルドバをあとにして
コルドバをあとにして」(ドリット・オルガット)
 17世紀のスペイン、コルドバ。カルロスは新キリスト教との家庭で育ちました。しかし本当は自分たちはユダヤ教徒である事を知ります。異端審問の嵐が吹き荒れる時代、本当の信仰を表に出す事は出来ません。カルロスの両親は異端審問所にとらわれ、父は死刑、母は終身刑になります。さらに弟がペストで死亡、いっぺんに家族を失ってしまいます。わずか最初の3ページでカルロスにこれだけの不幸が訪れます。ボードレール姉弟妹も真っ青の鬱展開です。
 コルドバを去ったカルロスは色々な人に出会って助けられます。絶望的な状況の中でも、信仰の違いを越えて人々がつながる事が出来るという希望に満ちたお話です。