- 作者: 二階堂黎人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: 単行本
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ルパン生誕100年を記念した怪盗ルパンを主人公としたミステリです。二階堂黎人がフランスの古本屋で見つけた本を翻訳したものだという設定になっています。
今回のルパンの獲物は古代エジプトの秘宝「ホルスの眼」。獲物を手に入れるためにルパンは「ホルスの眼」を発掘した考古学者、ボーバン博士に接近します。ところが博士の住むエイグル城で、不可解な連続殺人が起きます。全身包帯だらけのミイラ男が出現し、事件は古代エジプトの呪いではないかとささやかれますが、ルパンは合理的に謎を解こうとします。はたしてルパンは事件の謎を解き、無事にお宝を頂戴することができるのか……?
地面から突き出されたミイラ男の手、闇の中を飛びコウモリ、不気味な古城が描かれた表紙がいい雰囲気を醸し出しています。ゴシック調の怪奇趣味を演出するモチーフ。おどろおどろしい展開に、明快な解決。たぶん私が子供のころ好きだったミステリに一番近いのがこれだと思います。展開のベタさも含めて、子供が喜ぶという意味ではミステリーランドの中で評価できる部類にはいると思います。