「交霊会殺人事件」(那須正幹)

 探偵団は、映画スターの藤堂寅吉が事故死した息子を呼びだすために企画した交霊会に、探偵団のこどもたちが招待されます。しかし主催者の寅吉が密室で毒殺されてしまいます。財産や跡継ぎをめぐって怪しい人間はたくさんいますが……。
 解決編は袋とじになっています。講談社、ノベルスだけでなく青い鳥文庫でも密室本企画をやっていたのですね。密室殺人で、巻頭には詳細な家系図もついている、本格派推理です。「子供向けでそこまでやるか!?」ってつっこみを入れたくなるくらい人間関係がドロドロしています。那須正幹の容赦のなさを思い知らされる一冊です。