「エヴァ先生のふしぎな授業」(シェシュティン・ガヴァンデル)

エヴァ先生のふしぎな授業

エヴァ先生のふしぎな授業

 スウェーデンの教師団体「レーラル・フルブンデット」が公募した小学五年生対象の現代ヨーロッパをテーマとした懸賞文学の当選作です。2004年にスウェーデンの小学五年生11万人に無料配布されたそうです。
 そういう企画ものですから、面白いわけがありません。ですます調で書かれた小学生の語りはお行儀がよすぎて気持ち悪い。説教くさくて独善的。エヴァ先生になんの権利があっていやがるビリーを無理矢理旅立たせたのか、最後まで理解できませんでした。
 どのような団体の企画であれ、国中の子供に本を配布するというのは政治的な意味を持たざるを得ません。そんな作品で悪い子の名前が露骨にアメリカ風になっているというのは致命的だと思います。