「トレイン探偵北斗 寝台特急北斗星の美少女」（高森千穂）

トレイン探偵北斗 寝台特急北斗星の美少女 (おはなしフレンズ!)

　高森千穂って名前からすると女性なのでしょうか？著作を見るとみんな鉄道関係のもののようなんですが。女性だとしたら、女性で鉄っちゃんというのは珍しいですね。
　主人公は小学４年生のめがねっこ紫月北斗。これといった取り柄のない子ですが、鉄道マニアとしてはいっぱしです。彼の家は超お金持ちで、高性能のロボット犬を飼っていたり、執事を雇っていたりします。北斗は執事の十兵衛じいからジェントルマン教育を受けていて、ダメダメ少年ながら紳士として振る舞おうと頑張っているところに好感が持てます。
　そんな北斗の家にボディーガードを依頼するファックスが届くところから事件は始まります。宛名は「北斗さま」になっていますが、北斗にはまったく心当たりがありません。上野駅の寝台車というヒントから依頼主が「北斗星３号」に乗ることを突き止めた北斗は、ロボット犬のハナグロをつれて上野駅に向かいます。
　鉄道蘊蓄をちりばめ、欄外に「十兵衛じいのジェントルマン講座」を載せるなどギャグの小技もきいていて、サービス精神にあふれた作品だと思います。著者のサイトを見ると好きなアニメ監督として大地丙太郎の名前が挙げられていますが、何となく通じるものがあるような気がします。ぜひ続編を読んでみたいです。