「菜緒のふしぎ物語」(竹内もと代)

菜緒のふしぎ物語 (おはなしさいた)

菜緒のふしぎ物語 (おはなしさいた)

 田舎の古いお屋敷で少女が老婆と友に経験する怪異のお話。轟音とともに現れ、巨大な足しか姿を見せない「やしきぼうず」。蛍の光とともに帰ってくる死者たち。擬音が効果的に使われていて、この世のものならざる存在が出てくる予感を盛り上げています。あっちの世界が自然に日常と地続きで存在していることを感じさせます。こみねゆらのイラストも温かみがあって、よい作品世界の雰囲気をつくっています。