名作の森版「少年八犬伝」(小野裕康)

少年八犬伝 (名作の森)

少年八犬伝 (名作の森)

 1988年刊行作のリメイク版。やはり小野裕康は天才でした。
 88年版ではラストで収拾がついていないのが難点でしたが、リメイク版では減速剤ホムンクルス計画など前にはなかったネタが繰り出され、さらに物語は混沌としてしまいました。しかしその混沌具合がこの作品の味になっています。読者置いてきぼりでも結構。まさか太巻きがキーアイテムになるとは思いませんって。
 賛否はあるものの、幻の名作は復刊されました。しかしこれで小野裕康を伝説にしてしまうのはあまりにも惜しすぎます。伝説にならないためにも小野裕康にはぜひ書き続けてもらいたいです。