「のんきなりゅう」(ケネス・グレアム)

のんきなりゅう

のんきなりゅう

 げにおそろしきは娯楽に飢えた民衆か。
 男の子が村に住み着いたりゅうとお友達になるお話。このりゅうがまったく恐ろしげなところがなく、詩を愛するのんきなりゅうさんで、すぐに男の子といい友達になりました。ところが村に竜退治の騎士聖ジョージがやってきます。村人は聖ジョージと竜の決闘が見たいので、聖ジョージに架空の悪事を告げ口しまくります。決闘を回避したい男の子は聖ジョージとりゅうを引き合わせ、りゅうが悪いりゅうではないことを聖ジョージに証明しました。三人は村人を納得させるために、嘘の決闘を演じようと計画します。
 りゅうのとぼけたキャラクターで血に飢えた村人の欲望をはぐらかしてしまう。平和なお話で大変よいです。発表されたのは1898年、100年以上前です。話のおもしろさと新しさはあんまり関係ありませんね。