「筒井敬介おはなし本 ネコだまミイちゃん」(筒井敬介)

ネコだまミイちゃん (筒井敬介おはなし本 (2))

ネコだまミイちゃん (筒井敬介おはなし本 (2))

 小さいもの、弱いものへの優しさにあふれた幼年童話集です。
 「ぺろぺろん」はちょうに舌を出して歩くのがみっともないとバカにされたヘビの女の子が劣等感を克服する物語。これなんかは本当にあたたかみがあってよいです。
 一方、表題作の「ネコだまミイちゃんはあたし」などはばかばかしくてこれもまたよいです。ネコの霊魂のミイちゃんが、気にくわないネコのおなかの中に入り込みふくらんで苦しませるお話です。獣医はネコをオナラがたまっているのだと診断し、オナラ扱いされたミイちゃんはむくれてしまいます。