「ビースト」(アリー・ケネン)

ビースト

ビースト

 里親の元で暮らしている少年スティーヴンは貯水池の檻で秘密のペットを飼育していました。そいつは大量の肉を食べるので、怪しまれずに餌を調達するのに苦労していました。ある時スティーヴンは餌の豚を解体しているところを里親に見つかり、家にいることが難しくなってしまいました。それでもペットを放っておくことはできません。スティーヴンはペットを始末することを決意します。
 少年がひそかに凶悪なペットを飼うという話はホラーではありがちですが、ビーストへの憎しみと共感、アンビバレントな感情が荒々しく描かれていて、迫力のあるYAになっています。
 しかしビーストの正体が表紙から予想できるものそのまんまというのは逆に意表をつかれてしまいました。そんなんなら中盤まで引っ張ることないのに。