「ベーグル・チームの作戦」(カニグズバーグ)

ベーグル・チームの作戦 (岩波少年文庫)

ベーグル・チームの作戦 (岩波少年文庫)

 旧邦題は「ロールパン・チームの作戦」でしたが、2006年9月に原題どおりの「ベーグル・チームの作戦」として岩波少年文庫で新版が出ました。
 所属している少年野球チームの監督とコーチに母親と兄が就任するという、勘弁してもらいたいシチュエーションに主人公のマークは陥ってしまいます。少年野球のドラフトで自分がどんな扱いをされているとか知らなくていいことを知ってしまったり、母親に隠しているエロ本を見つけられてしまったり、最悪なことばかり起こります。しかしいろんな問題は起きますが、主人公が理知的なので淡々と物語が進んでいくのがカニグズバーグらしいです。
 主人公の母親が光っています。息子の部屋でエロ本を見つけてもなにも言わずに、子供が自分だけのコーナーを持つことを尊重する態度がいいです。彼女にはヘタレだったり親ばかだったりする面もありますが、親としては百点です。