「新編弓張月 下 妖魔王の魔手」(三田村信行)

新編弓張月〈下〉妖魔王の魔手

新編弓張月〈下〉妖魔王の魔手

 滝沢馬琴の「椿説弓張月」の三田村信行によるリライト本の下巻です。
 愚王尚寧王のために荒廃した琉球、奸臣や妖魔が世継ぎの寧王女を亡き者にしようと暗躍する中、流れ着いた源為朝が救世主として立ち上がります。
 なにを今更って感じですが、滝沢馬琴面白いですね。本当に面白いしかいうことがありません。悪役は暴虐の限りを尽くし、善人はとことんひどい目にあう、そこへすかさず英雄が登場し、親子、主従がこれ以外考えられないタイミングで再会する。娯楽小説はこうでないと。為朝が最終的に琉球を乗っ取っているのもご愛敬です。