カードゲームシリーズの後半三部作。イラストが緒方剛志にかわり、よりラノベ色が強くなっています。
風水アドベンチャー―カードゲームクロニクル〈1〉 (講談社青い鳥文庫)
- 作者: 石崎洋司,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/07/15
- メディア: 新書
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「フェンスイ・アドベンチャー・ゲーム」は、「うそつきのクレタ人」などの論理クイズがメインになっています。最後のカードゲームがしょぼいのが残念ですが、これはこれで楽しめると思います。
ラストで示された「正反対のものがあって初めて『気』は流れを持ち、世界に生命があふれる」という陰陽道の「太極」の思想が、今後明かされるであろうデュエリストの正体に関わっていくのかが気になるところです。
それにしても、イラストが変わったせいもあるのでしょうが、キャラクターの印象が変わりすぎです。特に一馬。「カードゲームの罠」で見せたあの悪逆非道ぶりはどこへ行ったのか?普段のジャイアンと映画版のジャイアンくらい違います。あの一馬を「乱暴者だけど実は気のいいガキ大将タイプ」にするのはさすがに無理があると思うのですが。
あやつり人形の教室―カードゲームクロニクル〈2〉 (講談社青い鳥文庫)
- 作者: 石崎洋司,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/15
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さすがにこれはだめでしょう。第一に「カードゲームシリーズ」を名乗っているのに全くカードゲームをしないというのは読者に対する裏切りではなかろうか。そのかわりに暗号パズルが挿入されていますが、これが不気味な敵に包囲されているというホラー的状況との相性が最悪です。暗号を解くたびにいちいち立ち止まっていては、せっかくの緊張感がとぎれてしまいます。
第一巻からいくらでも大風呂敷を広げられそうな設定を提示していたのに、この巻が終わってみれば物語は哲也が自らの呪われた血筋と対決するという古色蒼然としたテーマに収斂されそうになってしまいました。この様子だと、シリーズ化しなければよかったのにという結果になってしまいそうです。
- 作者: 石崎洋司,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/24
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「力」という設定は魅力的だったのに、最後まで生かしきれませんでした。最大の敗因は「力」の出所を単なる遺伝にしてしまったことでしょう。そのためよくある因縁物語として収まりをつけるしかなくなってしまいました。
どうやら「罠」と「呪い」が面白かったので期待しすぎてしまったようです。