- 作者: 那須正幹
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2006/12/12
- メディア: 単行本
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「劇画・オバQ」では、大人になった正ちゃんの元に訪れたQ太郎は現実の生活の中で居場所をなくし早々に退散してしまいます。ひるがえって「ズッコケ中年三人組」を見ると、「劇画・オバQ」とは虚構のレベルがだいぶ違うようです。怪盗Xやマコのような非日常の存在も実際することになっています。三人組もいろいろな制約があり子供の頃のように自由に動き回ることはできませんが、それでも実質主人公のハカセは独身のため比較的身軽に活動することができています。
「ズッコケ三人組」シリーズと「ズッコケ中年三人組」シリーズには大きな違いがあることも見逃せません。「ズッコケ三人組」はひとつの事件が終わるごとに物語がリセットされていましたが、「ズッコケ中年三人組」は過去がきちんと蓄積されるタイプの物語になりそうです。宮川健郎はズッコケは最終巻で「循環型」の物語から「進行型」の物語になったと指摘してます。そして「進行型」になった「卒業式」の延長線上にやはり「進行型」の「ズッコケ中年三人組」が位置づけられることになります。
さて、この条件でどんな虚構が展開されることになるのか。期待半分不安半分といったところです。