「コスモス・マジック」(田村理江)

コスモス・マジック (ものがたりのもり)

コスモス・マジック (ものがたりのもり)

 植物学者の夫が幻の花ファファフラスを追って失踪してしまったため一人で生活しているミセス・グレースが主人公。彼女の住む町にはコスモス邸という大きな館がありました。そのとほうもなさといったら、敷地があまりに広大なので、建物がはるか彼方に見えるくらいでした。そのコスモス邸の門に「お手伝いさん求む」の貼り紙を見つけたミセス・グレースはさっそく応募することにしました。そして彼女はコスモス邸の意外な秘密を見ることになります。
 序盤で大仕掛けがなされているので、ネタをばらさずに多くを語ることはできません。こういう理詰めの騙りを展開できることもファンタジーの魅力のひとつです。