「魔界屋リリー 伝説の魔界発明」(高山栄子)

伝説の“魔界発明”―魔界屋リリー (フォア文庫)

伝説の“魔界発明”―魔界屋リリー (フォア文庫)

 「魔界屋リリー」第4巻。今回魔界屋にやってきた魔界人はノリのいいミイラの兄弟でした。発明好きのふたりはリリーに「頭のよくなるココア」を飲ませたりと好き勝手にいたずらを繰り広げました。しまいには「人間が魔界人になるキャンディー」をばらまいて人間界に大混乱をもたらします。
 パターンが確立され、いい具合にマンネリ化してきました。リリーのおばかキャラにも磨きがかかり、彼女が魔界人たちにいじられて騒いでいるだけで楽しませてもらえます。小笠原智史の描くリリーの百面相も見逃せません。
 第3巻で登場した天才魔女ピンクが仲間になり、リリー側の戦力が微妙にインフレしてきました。そこでますますいらない子になってしまったマリーが落ち込むエピソードを入れてくるあたり、配慮が行き届いているというか意地悪というか。このシリーズは基本的にリリーとマリーの物語であるはずなので、この調子でマリーの見せ場を増やしてもらいたいです。