「あかりの木の魔法」(岡田淳)

あかりの木の魔法 (こそあどの森の物語)

あかりの木の魔法 (こそあどの森の物語)

 「こそあどの森」第9作。こそあどの森に怪獣学者がやってきました。ふたごの住む湖に怪獣がいる可能性があるというので調査に来たのです。ところがそのころ、町でひとさらいが出たらしいという噂が流れ、ポットさんは怪獣学者に疑いのまなざしを向けます。怪獣学者が不審人物かどうか確かめるため、森の住人はピクニックを装って探りを入れに行きました。
 森の住人から怪獣学者への視点の移行が絶妙です。怪獣学者の罪と救済の物語が感動的に紡がれていきます。
 彼らが目にした奇跡を、ただ42年に一度の奇跡ということにせず、7と6の最小公倍数とワンクッションおいているところに岡田淳のセンスの良さを感じます。