「サリーおばさんとの一週間」(ポリー・ホーヴァス)

サリーおばさんとの一週間

サリーおばさんとの一週間

 両親が旅行に出かけて留守の間、アンダンソン家の三姉弟の世話は父親の姉のサリーおばさんに任されました。なぜか父親はサリーおばさんのことを避けているようですが、三姉弟はおばさんの話術に引き込まれてすぐに彼女が好きになります。
 サリーおばさんは自分たち兄弟の子供時代の話を聞かせてくれます。ジョン伯父さんがハマグリにかみつかれた話、人を連れ去っていくトロルの話。どこまでホラだかわからないおばさんの話はユーモアたっぷりで子供たちを魅了します。
 しかしながら、おばさんの話は楽しいだけでなく、毒も含まれていました。語られるのはあまりにもありふれた悪意の物語。過去の物語と子供たちの現在を結びつける構成が見事でした。読んで損のない一冊です。