- 作者: 森川幸人
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
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キャラクターは虫の姿ではなく人間の姿になっているので絵がシュールです。例えば体の大きさがメスの半分であるミツバチのオスは、体が縦半分にまっぷたつになった人間の姿になっています。
虫の生態に忠実なのか夜の森が舞台になっていることが多く、全体のトーンは暗いです。うつろな目の人物、赤と黒が印象的に配置された画面が不気味さを演出しています。生殖をテーマにしながら生への賛歌よりもメメントモリを訴えているようです。
それにしても生物界でのオスの扱いはひどいものです。交尾中にメスに食われるカマキリやセアカゴケグモはまだ幸せな方。ダニのオスなんかは摂食器官を持たずに生まれてくることもあり、交尾が終わって用済みになったらそのまま餓死してしまいます。