- 作者: 奥田継夫
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2002/01
- メディア: 単行本
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「少年の時」は奥田版の「ヰタ・セクスアリス」です。姉とお医者さんごっこをしたり、ネエヤさんに見せられたり、母親の浮気現場を目撃してしまったり。描かれていることは露骨ながら、詩情にあふれた描写が心地よく、あまり抵抗感なく読み進めていけます。
性の目覚めをテーマにした児童文学は数が多くないので、まだこの作品には現役でいてもらわなくてはなりません。ベストコレクションの装丁ではおおかたの子供は手に取らないでしょうから、漫画っぽいイラストを使って、できればタイトルももっとキャッチーなものに変更して再刊してもらいたいです。
「続いていた青い空」は新制中学第一期生を主人公とした奥田継夫の「学園三部作」の第1部。物語の冒頭では、「男女共学は是か否か」をテーマにした校内討論会が開かれます。中学生男子が風紀がどうのこうのといって男女共学反対の論陣をはりますが、実は自分がもてないのをひがんでいるだけというのが見え見えで痛々しいです。