「ぼくはきみのミスター」(トーマス・ヴィンディング)

ぼくはきみのミスター

ぼくはきみのミスター

 翻訳は小森香折。犬のミスターは「わたし」の家に突然やってきて、「きみの世話をしてあげる」だの「いまにぼくがいてよかったと思うようになるよ」だの勝手なことを言って「わたし」の家に住み着いてしまいます。「わたし」はミスターに動物寓話を聞かせてあげますが、ミスターはそれは「人間のおはなし」だと茶々を入れます。しかしながら、ぶつくさ言いつつもふたりは仲よく生活していきます。
 寓話の部分は目新しいものはありませんが、「わたし」とミスターのゆるいかけあいが面白く、楽しく読める本になっています。