- 作者: 三田村信行,いそけんじ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1996/04
- メディア: 単行本
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第一話「となりの恐竜」は、隣に恐竜の夫婦が引っ越して来るというとんでもない出来事を、しみじみとほほえましい話に仕上げた異色作です。
ホラーとしてよかったのは「神かくし」でした。夏休みに田舎へ行った小学生が、おじいさんが神隠しにあったという話を聞き、自らもあちらの世界に迷い込んでいくお話です。田舎の寂しい雰囲気がいい具合に怖さを盛り上げています。あちらの世界との出会いを「べつの回路にはいってしまった」と独特の表現で説明しているのも興味深いです。
表題作「タンス男がやってくる」は、タンスを背負った男が徘徊しているという都市伝説を巡る物語です。タンス男そのものより、噂を広めタンス男の出現を待ちかまえる子供達のネットワークの方が不気味に描かれています。