- 作者: みおちづる,田村映二
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1999/02
- メディア: 単行本
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テーマはテクノロジーと人間です。結果的にはぐるまは町を破滅の危機に追い込みますが、はぐるま自体に罪はありません。問題はドロスが新しい技術を欲望を拡大させる方向にのみ利用した点にあります。
その問題に、リュタの幼さゆえの暴走を絡めたのがこの作品のうまさです。早く一人前と認められたいがために、深く考えずに新しいものに手を出して失敗してしまう。思春期の課題を的確に表現しています。
みおちづるのデビュー作にして児童文芸新人賞、椋鳩十賞受賞作。はじめて読んだときはこれが新人の作品とは夢にも思いませんでした。逆にデビュー作でここまで完成されていたら発展の余地がないのではないかと、よけいな心配をしてしまったくらいでした。でも、そんな懸念は第二作「少女海賊ユーリ」によって払拭されることになります。