ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー (新・こども文学館)
- 作者: 那須正幹,高橋信也,前川かずお
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1999/12
- メディア: 単行本
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自分史づくりなんて先のない老人のやること、未来のある若者は過去を振り返っている暇なんかないはずです。それでもやはり人間12年も生きていればいろいろあるもので、つついてみればそれなりにおもしろいことは出てきそうです。しかし、過去の記憶なんてものは常に改変され捏造されるもの、なかなか真相にたどり着けるものではありません*1。事実はある程度明らかにすることはできても、その時の心情となると藪の中です。
精力的に事実関係を探るハカセやモーちゃんに対し、、当事者であるハチベエの方の心理描写は抑えられていて、彼にしては珍しくシリアスな演技を見せてくれます。しかし真相が明らかになった後、彼は全く過去にこだわることをせず、少女を他の女子と同じように恋人候補としてのみ見るようになります。過去に過度に拘泥しない彼の態度はひとつの見識かもしれません。しかしわれわれはすでに「ズッコケ中年三人組」でなれのはてを知ってしまっているので、あれの少年時代がこれだと思うとちょっと引いてしまいます。