- 作者: 那須正幹,前川かずお
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1989/12/01
- メディア: 単行本
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ズッコケシリーズの中でも怖さという点では1,2を争う傑作です。と同時に、那須正幹の女性不信作品群の頂点に位置する作品でもあります。作者があとがきで述べているとおり、この作品には「おせじにも心やさしいひとびととはいいがたい」女性しか登場しません。事件が終わった後ハチベエたちはこのように述懐しました。
「でもな、女ってすげえなあ。あんなことがあったっていうのに、市原も佐々木も秋山も、へいきな顔して学校に出てきてさ。けっこう、にこにこわらいながらしゃべってるんだぜ。」
「内心はわかんないけど、表面的にはなんにもなかったことにするつもりなんだろ。」
おそらく那須正幹が本当におそれているのは女性ではなく、いろいろなごたごたを塗り固めて強固に続いていく日常なのだと思います。