「魔使いの呪い」(ジョゼフ・ディレイニー)

魔使いの呪い (sogen bookland)

魔使いの呪い (sogen bookland)

 上橋菜穂子も解説で「ジェンダーに敏感な読者なら、思わず「おいおい」と言いたくなるような描写だらけ」だと述べていますが、ことジェンダーに関しては「魔使いシリーズ」は脇が甘すぎます。知恵のある女性はみんな魔女扱いで、主要登場人物が平気で女性蔑視発言を披露する。当然作者はわざとやっているはずです。
 この二巻では魔使いの過去の華々しい女性関係が明らかになりました。次回は彼女たちが物語に絡んできそうです。地味に成長する主人公を尻目にヒロインのアリスが飛躍的にパワーアップしていることも見逃せません。このシリーズはジェンダーの問題にどう向き合っていくのでしょうか。