「ぼくのミステリー新聞」(さとうまきこ)

ぼくのミステリー新聞 (カラフル文庫)

ぼくのミステリー新聞 (カラフル文庫)

 壁新聞に書いた内容が現実になってしまうというお話。ミステリー新聞を書いた水島哲也は最初は予言者としてクラスメイトにちやほやされますが、やがて敬遠されて誰からも相手にされなくなってしまいます。
 ジャイブのカラフル文庫で復刊されたやつです。元の偕成社版は1985年。「1999年7の月」のノストラダムスの予言がまだ未来だった頃の作品です。なつかしい。いじめ問題が絡んで結構深刻な話なんですが、そこをオカルトを絡ませて気軽に読める作品にしているところがさとうまきこの手腕でしょう。同じネタで同時期に出た矢玉四郎の「あしたぶたの日ぶたじかん」と比べると全然テイストが違うのもおもしろいです。
 でも、結論は「とりあえずいじめに立ち向かえ」なんですよね。さとうまきこ、ちょっと男子には冷たいかもしれません。