「古時計の秘密」(キャロリン・キーン)

古時計の秘密 (創元推理文庫)

古時計の秘密 (創元推理文庫)

 今年は3月に金の星社からナンシー・ドルーの新作シリーズが刊行されましたが、今度は創元推理文庫で初期シリーズの新訳版の刊行が始まりました。続く時は続くものです。
 これはナンシー・ドルー第一作の初の完訳版ということになるのでしょうか。今までは「古い柱時計の秘密」というタイトルでおなじみでしたが、驚くべきことにこれは誤訳だったそうです。本当は置き時計だったということで、今回「古時計の秘密」と改められました。誤訳が正されたのはもちろんいいことなのですが、昔からのファンとしては少し複雑な気分です。
 豪快にコンバーチブルを乗り回し、頼まれもしないお節介を焼く18歳の少女。今読むと年の割に幼い彼女の言動にちょっと辟易させられてしまいました。しかし彼女の一直線の正義感はやはり爽快です。年齢にさえ目をつぶれば彼女の魅力はまだ衰えていません。
 さて、さっそく出た第二巻を買うかどうかが悩みどころです。