「ついていったら、だまされる」(多田文明)

ついていったら、だまされる (よりみちパン!セ 30)

ついていったら、だまされる (よりみちパン!セ 30)

 理論社「よりみちパン!セ」にキャッチセールス評論家の多田文明が登場しました。手相の勉強をしているというお姉さんやデート商法のお姉さんについていって、出会い系サイトにも挑戦しついでにサクラのバイトの面接にも行ってみる。かと思えばスピリチュアルの集会にも行ってみる。ユーモラスな語り口の潜入レポートは読み物として大変おもしろく、かつ騙されないようにするための心構えも身に付くようになっています。
 「よりみちパン!セ」の若い読者にぜひとも覚えておいてもらいたいのはこの部分。

でもね、こうした二つの方法を使ってもなお、しつこくつきまとってくる人たちはいる。そうした人たちはもう、この世のふつうの常識がまったく通じない、ぼくたちをだまそうとする人間だとはっきりと思っていい。その場合は、相手にこちらの都合や気持ちをわかてもらおうという努力などはせずに、話を途中で打ち切ることになろうがなんだろうが、ただ、ひたすらその場から走って逃げるしかない。(p35)

 どんな理不尽な相手であろうと、自分から話を打ち切るのはなんか悪いことのような気がしてしまうので、慣れないうちは難しいです。でも、時には勇気を持って逃げるしかない場面もあります。