- 作者: エリックウォルターズ,深川直美,Eric Walters,小梨直
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2007/11/30
- メディア: 単行本
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ショーンがデーヴィッドと一緒に車いすに乗ってショッピングセンターに出かける場面が印象に残りました。
見知らぬ人が勝手に車いすをつかんでくる。やたら声をかけてきて肩や頭をたたいていく。車いすに乗っているというだけで、なぜだかショーンは人々から暴力としか思えないような仕打ちを受けることになります。おそらくそれは善意から出た行動なのでしょう。でも、障害者にとってそうした行動は脅威でしかないことをショーンは思い知らされます。デーヴィッドは飄々とした明るい少年に見えますが、このような心ない言動によって常に疲弊させられていました。デーヴィッドのような障害者が戦っているのは身体が自由に動かないことによる不便さだけではありません。「普通」の人間の何気ないふるまいとも日々戦っていかなければなりません。そんな過酷な状況が「公共物になる」という言葉で実に端的に表現されています。