「ひとはみな、ハダカになる。」(バクシーシ山下)

ひとはみな、ハダカになる。 (よりみちパン!セ 29)

ひとはみな、ハダカになる。 (よりみちパン!セ 29)

  毎度ユニークな著者を起用して驚かせてくれる理論社の「よりみちパン!セ」ですが、今回はAV監督のバクシーシ山下を連れてきてくれました。現時点では「よりみちパン!セ」の執筆陣の中でもっともアウトローな人物といえそうです。
 彼はいきなり「よりみちパン!セ」の本来の読者層に対して、「率直な言い方をすると、この本を読んでくれている年代は、ぼくの天敵なんです」と言い放ちました。理由は身分を偽ってAVの撮影に応募してくる中高生に悩まされているからだそうです。しょっぱなから思いも寄らない視点を提供してくれます。
 社会の辺境にいる彼の視点から見える世界のありようは、新鮮で興味深かったです。
 印象に残ったのは「セックスはおもしろくてもいいんだ!」「セックスはかっこ悪くてもいい!」「へんてこなものでもいい!」という主張でした。性という切り口から世界を探求することで、彼は世界の多様なありかたを肯定しているように感じました。