そろそろ涙は拭おう。「豹頭王の花嫁」が読めなくなってしまったのは寂しいけれど、彼女がこの世界に遺してくれたものにこそ目を向けてみようじゃないか、というのがこの記事の趣旨です。
児童文学をある程度読んでいる人間であれば、女性作家によるBL要素のある作品が無視できない存在になりつつあることを、おぼろげながらも感じているはずです。栗本薫がいなければ存在し得なかったであろう児童文学界のタナトスの子供たちの活躍を簡単に見ていきましょう。
- 作者: たつみや章,林静一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/07/24
- メディア: 単行本
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- 作者: あさのあつこ,佐藤真紀子
- 出版社/メーカー: 教育画劇
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 単行本
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森絵都の「DIVE!!」や佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」など、「バッテリー」以降女性の児童文学作家による魅力的な少年が多数登場するスポーツ小説のヒット作が目立っています。これらの作品も同様の消費のされ方をしている可能性があります。
ぼくのプリンときみのチョコ (YA! ENTERTAINMENT)
- 作者: 後藤みわこ,亜沙美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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わたしはBLに詳しい人間ではないので、この程度表面的な現象をまとめるのが限界です。でもこの傾向は現代児童文学を語る上で見逃せないものであると感じているので、児童文学とBLの両面に詳しい評者が本格的な研究を始めるのを待ちたいと思います。