「ハピ☆スタ編集部 いつのまにデザイナー!?」(梨屋アリエ)

いつのまにデザイナー!?―ハピ☆スタ編集部 (フォア文庫)

いつのまにデザイナー!?―ハピ☆スタ編集部 (フォア文庫)

がんばれる人が、がんばれば?

この巻で未来乃が何度「めんどくさい」と言ったか数えようかと思ったのですが、やっぱりめんどくさいから止めました。
「ハピ☆スタ」第4巻です。アンチ成長小説ここに極まれり。巻を追うごとに未来乃のダメ人間ぷりに磨きがかかっていくのが恐ろしいです。
今回は未来乃の編みぐるみのキャラクター商品展開話が持ち上がります。未来乃がいつものようにぼけーっとしているとパリカが勝手に話を進めてしまい、未来乃は新キャラクターを10体も開発しなければならない事態に追い込まれます。ここまで追い込まれればさすがの未来乃でも少しはがんばってしまうのではないかと思われますが、全く心配はいりませんでした。まさかあんなオチとは……。ネタバレになってしまいますが、これはテスト前の「学校が火事になってテスト中止にならないかなぁ……」という願望が叶ってしまうようなもので、あまりにも(いい意味で)ひどすぎます。
未来乃はキャラクター商品を作って有名になるとか自己実現するとかいったことには一切興味はないのに、著作権から発生するギャラには興味を持っていました。でも、彼女がお金をほしがるのは例の「おばあちゃんになりたい」という夢のためなのです。

未来乃はお年玉などもほとんど使わず、老後のための貯金をしている。だからライセンス料が、将来の生活費になればラッキーだ。(中略)
(はやく、おばあちゃんになりたいですぅ。おばあちゃんになれば、体育で走ったり宿題したり明日の漢字テストの心配をしたりしなくてすみますよぅ……)(p46)

小学生が老後のために貯金……。しっかりしたお嬢さんだ。いや、違うか。