「科学探偵部ビーカーズ!3 怪盗参上その名画いただきます」(夏緑)

わたしと科学について語りあわない?――ただし、こぶしで

「科学探偵部ビーカーズ!」第3弾。今回科学探偵部は、「浮かぶ美術館」と呼ばれる豪華美術船クイーン・ミュージアム号の警備を依頼されます。しかし厳重な警備にもかかわらず猫コスプレの怪盗の侵入を許してしまい、科学探偵部は窮地に立たされてしまいます。
キックひとつするにも科学的説明をしないと気が済まないこのシリーズならではの遊びは、今回も冴え渡っています。
このシリーズが面白かったので久しぶりに夏緑ライトノベルを読んでみたのですが、「ビーカーズ!」とほとんど同じようなことをやっていたので笑ってしまいました。

腐った林檎と吸血鬼 (HJ文庫)

腐った林檎と吸血鬼 (HJ文庫)

この作品は吸血鬼ものなのですが、吸血鬼の生態や撃退法にやはり科学っぽい理屈をこねていて、「ビーカーズ!」と同じような楽しみ方ができます。
さて、「ビーカーズ!」3巻では科学探偵部はまんまと怪盗に絵を盗まれてしまい、エイジはみんなから厳しい指弾を受けることになります。しかしエイジは我関せずで、天動説を唱えたガリレオにならっておのれの信念を貫きとおします。このように自然科学の徒のかっこよさを熱く描いているところがこのシリーズの美点です。